企画展・特別展のご案内
企画展『絵図で見る長崎の歴史』開催期間:2016/07/01 ~ 2016/09/24終了
企画展『近代長崎の書と絵画』開催期間:2016/03/24 ~ 2016/06/19終了
企画展『隠元と黄檗渡来僧』開催期間:2015/11/21 ~ 2016/03/07終了
企画展『長崎の動物園』開催期間:2015/08/18 ~ 2015/11/15終了
企画展『田川憲と長崎の版画』開催期間:2015/05/15 ~ 2015/08/10終了
企画展『長崎の雪月花』開催期間:2015/01/09 ~ 2015/05/09終了
企画展『坂本龍馬と長崎』開催期間:2014/09/09 ~ 2015/01/03終了
企画展『長崎南画の世界』開催期間:2014/06/28 ~ 2014/09/03終了
企画展『唐様の書と長崎』開催期間:2014/03/22 ~ 2014/06/22終了
企画展『明治維新以後の長崎』開催期間:2013/12/21 ~ 2014/03/10終了

企画展・特別展 入館料


個人 団体(5名以上)
大人 \500 \400
高校生 \300 \250
小・中学生 \200 \150


企画展・特別展 紹介

≪企画展『絵図で見る長崎の歴史』≫
 開催期間:2016/07/01 ~ 2016/09/24  (※この企画展は終了しました。)

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元亀2年(1571)長崎が開港され、僅か6カ町から始まった長崎の町はポルトガルとの貿易で栄え、町勢は拡大していった。

江戸時代に入ると長崎の町には禁教の嵐が吹き荒れ、ポルトガル人を収容するための出島が築造されるなど、地形的にも変化が生まれる。 この頃、「寛永長崎図」が作成され、長崎の絵図の歴史が始まる。

最初の頃は彩色手書きの絵図が作られていたが、やがて木版による絵図が作られるようになると、多くの版元が長崎の絵図を刊行するようになる。 また唐人屋敷の造成や新地蔵・浦上新田の埋築により、長崎の地図にも変化が現れる。

明治に入ると長崎の町が大きく変わる。第1次・第2次の長崎港湾改良工事により、中島川の変流工事が行なわれ、長崎港の北部が埋め立てられ、また出島の扇の形が消えるなど、長崎の港の形が大きく変わってくる。

大正時代には、路面電車の発達により陸上でも変化が現れる。 まず、築町から大学病院下までが開通すると、千馬町から出雲町、長崎駅前から古町・馬町へと次々と延伸されていった。

昭和20年の終戦を迎えると、浦上方面では原爆からの復興と同時に、区画整理が行なわれ、新しい街並みが出来ていった。 また南部では第1次外港整備計画による小ヶ倉・柳地区、深堀・香焼間の造成工事、第2次外港整備計画による神ノ島地区の造成事業が行なわれ、松ヶ枝観光埠頭などが整備された。

さらに、平成に入ると水辺の森公園が整備され、女神大橋が架けられるなど、開港以来、長崎の町は目まぐるしい変貌を遂げ、現在に至っている。

今回の企画展では絵図・地図その他の資料を通して、長崎の歴史を辿ります。
歴史に興味がある方だけでなく、お年寄りから子供まで楽しんで頂けるものと思います。


主な展示品
長崎湊大繪圖 寛文年間 彩色手書
新刊長崎大繪圖 享保年間 竹寿軒板
肥州長崎圖 安永7年 大畠板
肥州長崎圖 享和2年 唐絵屋井重・文錦堂板
肥前国長崎圖 文政10年 城南義卿写・彩色手書
長崎両御番所並御当拝䑓場繪圖 天保10年 彩色手書
長崎港精圖 明治25年
長崎港湾改良平面圖 明治30年
景勝の長崎 吉田初三郎 昭和9年
長崎国体長崎市案内図 昭和44年
絵図で見る長崎の歴史1

絵図で見る長崎の歴史2

絵図で見る長崎の歴史3

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≪企画展『近代長崎の書と絵画』≫
 開催期間:2016/03/24 ~ 2016/06/19  (※この企画展は終了しました。)

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日本での近代の始まりをいつにするかは諸説ありますが、今回の企画展『近代長崎の書と絵画』では、明治初年からから第2次世界大戦の終戦までを近代として、長崎における書と絵画を展示することにしました。

今回の企画展では、長崎南画を中心に展示しています。木下逸雲、三浦梧門が幕末に亡くなった後、鉄翁祖門や後の三筆といわれた守山湘颿、伊東深江、中村陸舟らを中心に、明治の始めには多くの南画家が長崎に現れ、今日の長崎南画へと続いて行きます。

このほか、日本画では、長谷川雪香、萩原魚仙などのグラバー図譜に携わった人達や、大久保玉珉とその弟子で美人画の栗原玉葉などが、また洋画では山本森之助などが挙げられます。 一方、書の世界では岡田篁所や西道仙のほか、大音寺の實譽説音、長照寺の浅井日昇、皓台寺の霖玉泉などの僧が書や仏画などを残しています。

今回の企画展では、「近代長崎における書と絵画」を十分に楽しんで頂けると思います。


主な展示品
七福神図 大久保玉珉
諏訪神社図 萩原魚仙
樹木 山本森之助
青緑山水図 守山春農
秋景山水図 江上瓊山
山水図 古森半仏子
楠公詩書 西道仙
四行書 岡田篁所
五行書 浅井日昇
明治3年長崎港全図
近代長崎の書と絵画1

近代長崎の書と絵画2

近代長崎の書と絵画3

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≪企画展『隠元と黄檗渡来僧』≫
 開催期間:2015/11/21 ~ 2016/03/07  (※この企画展は終了しました。)

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17世紀になると海上往来の祈祷のための媽姐廟として唐寺三ヵ寺が開創されましたが、各寺院の開基は当初から僧侶として渡来したわけではありませんでした。 このため唐僧を住持として招請しようとする動きが高まり、その次にはより高僧を迎えたいとの願いへと発展していきました。

このような中、承応3年(1654)弘法のため長崎に渡来した隠元禅師は、戒律を重んじる正統な中国臨済宗の法系と厳格な仏教儀礼を日本に伝え、当時沈滞していた日本禅宗界への新風となって大きな影響を与えます。 その後、禅師は京都宇治に黄檗山万福寺を開創しました。

また禅の教えだけではなく、明の時代の生活文化もそのまま日本に持ち込まれました。 その後も多くの黄檗僧が長崎に渡来して長崎の唐寺の住持となり、また万福寺に隠元禅師を訪ね、あるいはまた同寺の住持として晋山する者もいました。

今回の企画展『隠元と黄檗渡来僧』では、隠元禅師を長崎で迎えた渡来僧や隠元禅師と共に渡来した黄檗僧、黄檗山万福寺の歴代住持などの書画を展示していますので、皆さんに楽しんで観て頂けることと思います。

ぜひ、この機会に長崎に渡来した黄檗僧たちの書や絵画を鑑賞下さい。お待ちしています。


主な展示品
一行書 隠元隆琦
梅鶯図 木庵性瑫
一行書 即非如一
赤達磨一葦渡海図 逸然性融
書幅横物 獨立性易
釈迦如来図 慧林性機
一行書 独湛性螢
一行書 悦山道宗
一行書 千呆性侒
墨竹図 大鵬正鯤
隠元と黄檗渡来僧1

隠元と黄檗渡来僧2

隠元と黄檗渡来僧3

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≪企画展『長崎の動物園』≫
 開催期間:2015/08/18 ~ 2015/11/15  (※この企画展は終了しました。)

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「ながさきの動物園はどこにあるか、知ってる?」
こう尋ねると、子供達は決まって次のような答えを返します。
「長崎に動物園なんてあるの?」

ご年配の方に同じ質問をすると、「お諏訪さん」とすぐ返事が返ってきます。 我々が小さい頃にはこれといった楽しみもなく、お諏訪さんにお参りについて行くと、帰りに動物園に連れて行ってもらえるのが楽しみでした。

クジャクなどの鳥の声が近づくにつれて掃除が行き届いていないのか、動物の糞のような異様な臭いがして、熊が奥の穴蔵からのっそりと姿を現します。 猿が檻の中をはしゃぎまわり、どこにでもいるような鶏などもいます。 近頃聞いた話によると、今でもこの動物園はあるそうです。

長崎の港には、ほかでは見られない様々な動物たちが、オランダ船や唐船に乗ってやってきました。 象やラクダ、インコにオウム、火喰い鳥など。遠く南蛮時代の屏風には檻に入れられた虎も描かれています。 長崎の虎はよその虎と違ってとてもかわいいんです。 「ネコ虎」とも呼ばれる長崎虎は三日月のやさしい眼をして皆さんを見ています。 これらの虎は来舶清人や長崎の漢画系の多くの画家たちによって描かれています。

今回、「長崎の動物園」として企画展を開催しますが、長崎虎のほか鶴や白鷺などの鳥類、魚類などいろんな動物たちを展示して、皆様に楽しんで頂けるようにしています。 ぜひ一度、長崎虎に会いにきてください。


主な展示品
虎図 屏風六曲一双 松井慶仲筆
「虎図」 掛軸一幅 渡辺秀詮筆
「竹虎之図」 掛軸一幅 広渡湖秀筆
「インコ図」 掛軸一幅 宋紫石筆
「鹿之図」 額装 沈南蘋筆
「狸図」 掛軸一幅 小波魚青筆
「蘆雁図」 掛軸一幅 費漢源筆
「象図」 長崎古版画
「染付鳳凰牡丹文六角鉢」 亀山焼
「鶴香炉」 赤星亀女作
長崎の動物園1

長崎の動物園2

長崎の動物園3

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≪企画展『田川憲と長崎の版画』≫
 開催期間:2015/05/15 ~ 2015/08/10  (※この企画展は終了しました。)

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今、この長崎に住んでいる我々が居留地を考えるとき、観光地としての居留地以外に何を考えることができるでしょうか?

田川憲は『長崎東山手十二番館』の巻末の≪私の歩いた道≫の中で「ここ長崎居留地もわれらと同じく生き、呼吸していることを認識してほしい。そして今やこの界隈は病み衰え、瀕死の病床にある。加うるにその病人に手当てすることをしないで無理やりに薄っぺらな衣装を着せ、舞台に立たせている」と言っています。

さらに、「長崎の洋館は日本の貴重な文化財である。私はこの保護を叫んで久しいが、さっぱり反応がないので、今は言うことを止めた。今後は私一人で、画になり得る限り版画として残す方針に切り替えた。」とあります。

このようにして田川憲は長崎居留地を版画にして残すことを決心し「ながさき・おるごおる」「風化の町」などの作品を発表していくのです。

田川憲が生きた昭和30年から40年にかけての頃は、まだ「長崎の洋館群」も病んでいるとはいえ、まだ生きながらえていました。しかし、今は観光地など一部を除き、もうその姿を見ることは絶えて久しくなりました。

今回の企画展では、田川憲が残した長崎の居留地をはじめ、黄檗の寺々や原爆などの版画を展示することにより、田川憲の版画を十分楽しんで頂くとともに、今一度長崎を見つめ直す機会を提供したいと思います。


主な展示品
アポリネール動物詩集・猫兎 2曲屏風 昭和35年
南蛮渡来奇聞 昭和35年
花月引田屋蘭人遠眼鏡図 昭和30年
長崎原爆遺跡 昭和24年
異人墓地(坂本町) 版木・版画 昭和30年
油彩・22番の夾竹桃 昭和28年
私版・グラバー氏の庭 昭和32年
興福寺大雄宝殿 昭和36年
水彩・人間の丘 昭和37年
医大薬草園 昭和11年
田川憲と長崎の版画1

田川憲と長崎の版画2

田川憲と長崎の版画3

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≪企画展『長崎の雪月花』≫
 開催期間:2015/01/09 ~ 2015/05/09  (※この企画展は終了しました。)

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雪月花は白居易の詩「寄殷協律」の一節「雪月花時最憶君」によるもので、四季折々の自然の美しさを指すことばです。

長崎には「雪月花」に関する数多くの作品が遺されています。
隠元禅師をはじめとする黄檗僧は雪月花に関する書や絵画を残し、中国から長崎に伝わった南画では、雪中山水図や月梅図など雪や月に関する絵画が多く描かれ、漢画では唐絵目利や南蘋派の人達が四季折々に咲き乱れる極彩色の花々を描いています。

今回の企画展では、長崎に残された「雪月花」に関わる書や絵画・工芸品を取り上げて展示致します。
この機会に「長崎の雪月花」を十分楽しんで頂きますよう御案内申し上げます。


主な展示品
雪中竹図 勝野范古筆
雪景楼閣山水図 宋紫山筆
寒山雪暮図 三浦梧門筆
月中梅花図 熊斐文筆
月梅図 小原慶山筆
月竹図 大鵬筆
花開萬國春 悦山書
花鳥図 宋紫石筆
冨貴図 鏑木雲潭筆
花鳥図 巌江琳筆
花 一大字五言二句 慧極書
長崎の雪月花1

長崎の雪月花2

長崎の雪月花3

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≪企画展『坂本龍馬と長崎』≫
 開催期間:2014/09/09 ~ 2015/01/03  (※この企画展は終了しました。)

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今年は坂本龍馬が初めて長崎へ来た年から数えて、ちょうど150年になります。
当館では、それに合わせて企画展「坂本龍馬と長崎」を開催致します。

幕末の元治元年(1864)、坂本龍馬は長州藩による関門海峡封鎖の調停のため、長崎出張の命を受けた勝海舟に同行して初めて長崎の地を踏みました。 その後、龍馬は幾度となく長崎を訪れ、亀山社中や海援隊を設立するなど、長崎を中心に縦横無尽の活躍をすることになります。

今回の企画展は、坂本龍馬のほか、幕末から明治維新を舞台に活躍した人々に焦点を当てることにより、激動の時代の日本と長崎を振り返ると共に、現在の長崎を今一度みつめなおす機会を提供出来ないかと思い企画致しました。

ぜひ、企画展「坂本龍馬と長崎」をご高覧頂きますようご案内申し上げます。


主な展示品
坂本龍馬肖像画 藤田紫香筆
武市半平太肖像画 公文菊僊筆
中岡慎太郎肖像画 藤田紫香筆
三行書 勝海舟
四行書 西郷隆盛
二行書 渡辺昇
地図・絵図 長崎港全図・長崎奉行所西役所図ほか
幕末の長崎の陶磁器 亀山焼・秋ノ浦焼など
坂本龍馬と長崎1

坂本龍馬と長崎2

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≪企画展『長崎南画の世界』≫
 開催期間:2014/06/28 ~ 2014/09/03  (※この企画展は終了しました。)

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南画(南宗画)は皆様もご存じのように、中国から長崎に伝えられました。

江戸時代の初めに長崎に渡来した黄檗僧たちは文人的色彩の強い水墨画を残しています。

享保5年(1720)には、貿易のため長崎に渡来した伊孚九が南宗画風の山水画を伝えます。 次いで費漢源(享保19年・1734)張秋穀(天明6年・1786)らが来崎、 幕末には江稼圃(文化10年・1804)などが渡来して、それぞれ南画を伝え, それらはその時々に応じて、全国へ紹介され、広まっていきました。

長崎の南画は、幕末に渡来した江稼圃の影響が大きく、南宗画の三筆といわれる鉄翁祖門、木下逸雲、三浦梧門などから、、 崎陽後の三筆といわれる守山湘颿、中村陸舟、伊東深江などへと引き継がれ、現在に至っています。

平成24年に当館で開催した「長崎南画の系譜」展では、 ご覧になる方々に南画の系譜が少しでもご理解頂けるように、 出来るだけたくさんの作家を紹介し、南画の作品そのものよりも、 江戸時代から現在に至るまでの人物のつながりを重点に展示しました。

今回の企画展では少し切り口を変えて、南画をより楽しんで鑑賞して頂けるよう、 幕末の三筆を中心に、四君子、三友図、山水画などジャンル別に展示してみました。

皆様に南画の魅力を十分楽しんでいただけるのではないかと思います。


主な展示品
松月石泉図 費晴湖
墨竹図 大鵬正鯤
墨梅図 菅井梅関
菊図 江上瓊山
蘭図 鉄翁祖門
春景山水図 三浦梧門
米法山水図 川村雨谷
紅葉山水図 木下逸雲
雪中山水図 守山湘颿
蟹図 孟涵九
長崎南画の世界1

長崎南画の世界2

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≪企画展『唐様の書と長崎』≫
 開催期間:2014/03/22 ~ 2014/06/22  (※この企画展は終了しました。)

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僧侶筆跡の中でも禅宗僧侶の書は墨跡と呼ばれ今でも茶席などで多くの人々に愛されています。その墨跡の中国書法が北島雪山、細井広沢らに伝わり唐様の書として発展していきます。

唐様とは中国風の書を指しますが、江戸時代の初め黄檗僧・隠元の渡来によりもたらされた中国書法は、江戸幕府の儒学の奨励策により僧侶や儒者、文化人を中心に広まっていきました。

江戸時代中頃からは書法の研究が進み、これまでの元、明の書法から晋、唐の書風を提唱するものが出てきます。江戸時代末期には幕末の三筆と呼ばれる巻菱湖、貫名菘翁、市川米庵などがあらわれ、この流れは明治時代になっても続き、中林梧竹ら多くの著名な書家が排出されました。

今回の企画展では、黄檗僧の来崎によりもたらされた中国書法が、即非や独立などの唐僧を通して、北島雪山、高玄岱、林道栄ら長崎の書家や細井広沢などに唐様の書として伝わり、それが儒者や文化人を中心に広がって、幕末の三筆へと続いていく様子を実感して頂けるような展示が出来たのではないかと思います。

この機会に唐様の書を通して、長崎の書、日本の書を堪能下さい。




主な展示品
書幅 隠元隆琦
書幅 独立性易
四字書・屏風 北島雪山
七言絶句・屏風 林道栄
福禄寿・三蝠対 細井広沢
二行書 頼山陽
三行書 貫名菘翁
二行書 勝海舟
三行書 高島秋帆
唐様の書と長崎1

唐様の書と長崎2

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≪企画展『明治維新以後の長崎』≫
 開催期間:2013/12/21 ~ 2014/03/10  (※この企画展は終了しました。)

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江戸時代に阿蘭陀や中国との貿易で繁栄を極めた長崎は、幕末の開港によって、横浜、神戸など新興の港にその座を明け渡しますが、それまでに培ってきた文化や芸術はその後も独自の発展を遂げていきます。

明治維新以後の長崎は居留地時代の繁栄という光の部分だけではなく、明治政府が幕府から引き継いだキリシタン弾圧や、原子爆弾の投下などの影の部分も経験しますが、これら幾多の経験が今日の長崎の礎となりました。

幕末から続く炭鉱、造船などの近代産業はその後も発展を遂げますが、長崎の文化・芸術の面では、幕末に来舶した江稼圃の弟子で南画の三筆といわれた鉄翁・逸雲・梧門の弟子たちを中心に「南画」が広がりを見せます。

洋画では山本森之助・彭城貞徳らが、日本画では栗原玉葉、長谷川雪香、大久保玉珉、小波魚青などが活躍し、彫塑の北村西望、書の西道仙や福地桜痴などもいます。

これらのほかに、洋画の鈴木信太郎、中川一政、石川滋彦や、文学界では斎藤茂吉、「五足の靴」の与謝野鉄幹、北原白秋、吉井勇など多くの人たちが長崎を訪れ、長崎の人々と共に明治維新以後の長崎の文化・芸術を支えることになります。

当館の企画展は、今までそのほとんどが幕末までの長崎の文化や芸術を紹介するものでしたが、今回は初めて明治維新以後の長崎を取り上げ、文化や芸術面だけではなく、明治維新以後の長崎を支えてきた様々な分野の人たちにも焦点を当ててみました。 今日の長崎の文化の礎を築いた人々の作品を見ながら、明治維新以後の長崎が歩んできた道を今一度見つめ直し、今後の長崎の発展を考えるきっかけになればと思います。



主な展示品
神儒仏三尊図 彭城貞徳・中島広行 賛
秋の日頃 栗原玉葉
燈台 山本森之助
夾竹桃館・肉筆 田川憲
楠公詩書 西道仙
短冊 斎藤茂吉
雪中山水図 守山湘颿
武陵桃源図 川村雨谷
明治維新以後の長崎1

明治維新以後の長崎2

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